最近は自分好みの住まいを実現出来る『リノベーション』を前提に、中古マンションを探している人も多くいます。実は、中古マンションの中にもリノベーションに向いている物件、向いていない物件というのが存在します。またリノベーションするしないに関わらず、押さえておくべきポイントがあります。まずは外せない『不動産的価値』の部分と、『リノベーション』に向いているポイントについてご紹介します。
中古マンションの資産価値を決めるポイントとは
①まずはその物件の立地です。周辺の環境や交通の利便性など、日常生活に大きく関わる部分は最大のチェックポイントです。実際に現地に足を運び、物件の周辺をぐるりと歩いてみましょう。
②そして次のチェックポイントは、共用部分です。集合ポストの周りにチラシなどが散乱していないか、自転車は整然と置かれているか、外壁にひび割れやタイルの剥離はないか、など。入居者の管理に対する意識が現れています。掲示板の貼られている文書も見てみましょう。そのマンションのトラブルや問題点が浮き彫りになります。
③次に管理状況の確認です。修繕積立金がきちんと貯まっているか、管理費と併せて滞納はないか。築年数が経過している割にあまりにも修繕積立金が安い場合は、積立金が不十分であることを疑いましょう。また一時金として100万円単位で必要になるケースもありますので、管理会社によく確認しましょう。修繕計画とこれまでの修繕実績も、要確認事項です。
④土地の権利が『借地権』か『所有権』か。通常は、区分所有者全員で土地を共有するのが『所有権』です。稀に土地代を支払う形で土地を利用する『借地権』のマンションがあります。実は借地権付きマンションは、住宅ローンが借入れし難い、住宅ローン控除で土地分は対象外となる、など制約を受けることが多々あります。資産価値的にも所有権のマンションがおすすめです。
「終の住処」として物件探しをする方が多いですが、将来何が起こるかは分かりません。万が一の時に少しでも住み替えしやすい物件を選んでおくのがおすすめです。
リノベーション向きのマンションとは
中古マンションを購入してリノベーションしたいと考えている方は、『自分達の思い描いている間取り、デザイン、生活が実現出来るか』という視点を持たなくてはいけません。ある程度、希望の間取りやとりいれたい設備などのイメージを持って、物件探しをするのがおすすめです。その上で、次のポイントを確認しましょう。
①希望の間取りが実現できるか
間取りの変更は、リノベーションの醍醐味の一つです。ただし、マンション自体の構造の種類によっては、取り壊せる壁に制限がある場合があります。マンションの構造には『壁式構造』『ラーメン構造』のどちら、もしくはこれらの混構造となっています。『壁式構造』では間仕切り壁も耐力壁として機能していて、建物を支える役割があります。そにため、間仕切りの変更の自由度は低くなります。一方『ラーメン構造』では柱や梁で建物を支えているので、間仕切り変更がしやすく、空間を大きく変えることが可能です。
②リノベーション出来ない部分の把握
マンションでは絶対にリノベーション出来ない部分が存在します。例えば、眺望や日当たり、玄関ドアやサッシなどの共用部分、部屋内の柱、梁、パイプスペースなどは変更出来ません。お隣との戸境壁に穴を開けることも出来ません。自分達がやりたい事に影響があるかどうかを見極めましょう。もし影響がある場合でも、柱や梁が邪魔ならば思い切って収納スペースにしてしまう、窓がない場所には室内窓を作る、インナーサッシで断熱効果を高める、など代替案と工夫で切り抜けることも出来ます。
③予算内で実現出来るかどうか
最後は、自分達の予算内で実現出来るかどうかです。出来るだけ希望を叶えたいのはもちろんなのですが、予算オーバーしてしまっては本末転倒です。何にいくら掛かりそうかは、確認しながら進めましょう。ざっくりと間取りの変更が多ければ費用が掛かると考えましょう。
例えばA物件2,000万円とB物件2,300万円の物件で迷った場合。A物件では間取りの変更も、水回りの変更も全て行わないと希望の住まいにならないとします。一方B物件では、お風呂やキッチンなどの取り替えは必要だが、大きな間取り変更はせずに済むとします。この2つのケースを比較した場合、最終的にはA物件の方が高額になってしまうかもしれません。
中古マンションでリノベーションをする場合は、単純に物件価格だけでなくトータルで予算を考えましょう。
リノベーション希望の方は、事前に自分達の希望イメージを具体的にし、こうしたチェックポイントを抑えて進めてみてください。