住宅ローン控除の確定申告をしよう−必要書類と申告方法−

不動産コラム

今年も確定申告の時期がやって来ました。昨年1年間のうちに住宅ローンを借入れし、持ち家に入居した方は確定申告手続きが必須です!住宅ローン控除の概要については過去にもお話してますが、そもそもこの税制優遇はあなたが昨年1年間に支払い済みの「所得税」が財源となっています。すでに納めている所得税から還付を受ける制度ですので、1年目に限り確定申告をする必要があるのです。(2年目以降は勤務先の年末調整にて行います。)

毎年確定申告をすることで後から所得税等を納めている自営業者の方は、例年の手続きに住宅ローン控除も追加して下さい。

今回は実際にどんな書類を集めたら良いのか、申告はどこでどのように行えば良いのかを具体的に解説します。

住宅ローン控除に必要な書類を集めよう

①源泉徴収票

会社員の方は、年末調整後(2019年12月~2020年1月)に勤務先から配布されます。昨年の間に転職した方は、前職と現職の2枚を用意しましょう。

②住宅ローン年末残高証明書

住宅ローンを借入れした金融機関から秋以降に送られています。年末に差し掛かってローン実行した場合は、年が明けてからの発送になっているはずですので郵便物に注意しましょう。もし紛失した場合には、急いで再発行の依頼をして下さい。

③土地・建物(マンションは区分所有建物)の登記事項証明書(登記簿謄本)

法務局で入手出来ます。物件の所在地を管轄する法務局窓口、もしくは法務局HP

(http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/online_syoumei_annai.html)から郵送依頼することも可能です。手数料は窓口600円、郵送500円となっています。

④土地・建物、マンションの売買契約書

売買契約を締結した際に、売主から渡されている重要書類です。物件価格に見合った収入印紙が貼られている書類です。

⑤工事請負契約書

注文住宅を建設したり中古マンションを購入してリノベーション工事をした場合は、工事を請け負った工務店やリノベーション会社から渡されています。

⑥マイナンバーカード

自身のマイナンバーカードの写しを添付します。

マイナンバーカードを持っていなくても大丈夫です。マイナンバー通知カードもしくはマイナンバーが記載された住民票と運転免許証やパスポート等の本人確認書類のコピーで代用出来ます。マイナンバーカード以外で揃える場合は、顔写真付きの証明書添付が必要になります。

⑦確定申告書A・B

地域の税務署で入手出来ます。国税庁のHPから書式をアウトプットする事も出来ます。なお、確定申告書はA様式とB様式の2種類があり、所得の種類によってどちらを利用するのか決まります。

・A様式

所得が給与所得や公的年金、雑所得、配当所得、一時所得のみで、予定納税のない人が対象の様式。会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者はこちらを利用。

・B様式

所得の種類に関係なく誰でも利用できる様式。事業所得や不動産所得などがある人、個人事業主や自営業者はこちらを利用。

⑦住宅借入金等特別控除額の計算明細書

こちらも地域の税務署で入手出来ます。確定申告書同様、国税庁HPからのアウトプットも可能です。

確定申告書を提出しよう

以上の書類が揃ったら、期限内(3月16日(月)まで)に税務署へ提出します。方法は次の3種類があります。

1.郵送で申告

2.電子申告(e-Tax)を利用して申告

3.税務署へ直接書類を持ち込んで申告

まずは、「1」の郵送による申告。これは記入済みの確定申告書などと必要な添付書類一式を最寄りの税務署宛てに郵送する方法です。当然郵送料がかかりますが、税務署へ行く必要がないため、期間中忙しい方向けです。ただし提出日は消印で判断されるため、ギリギリでポスト投函してしまうと間に合わないこともありますので注意しましょう。

次に「2」の電子申告ですが、これは国税庁のWebサイトにある確定申告作成コーナーで作成した申告書や添付書類を、「e-Tax」というシステムを使ってデータ送信し、申告する方法です。自宅で確定申告を行えるので便利なのですが、ICチップ入りの電子証明書を準備する必要があるほか、マイナンバーの発行やICチップを読み込むためのカードリーダーを別途購入するか、もしくはカードを読み込むことができるスマートフォンで専用アプリをダウンロードする必要があるなど事前に準備が必要になります。毎年申告が必要な自営業者の方向けの方法です。

最後に「3」の直接持ち込みの場合ですが、記入に不安がある方にとっては面前で相談に乗ってもらえるので安心です。ただしこの時期は税務署は非常に混雑していますので、非常に時間がかかります。税務署以外に確定申告の相談コーナーや受付会場が設置されていることもありますので、調べてみましょう。

住宅ローン控除の確定申告は余裕を持って、必ず期限内に済ませましょう!