「家は一生に一度の大きな買い物」と言われます。立地、部屋の広さ、間取り、窓から見える景色など、きちんと納得してから買いたいのは皆さん同じです。
しかし、新築物件の販売方式はいわゆる「青田買い」と呼ばれるものが主流です。実際の建築物ではなく、モデルルームを見学に行って図面やCGだけを見て買うしかありません。まだ建物が完成前なので、間取り変更やオプション設備の取り付けなどが可能になる良い部分もありますが、素人には想像しにくいのが現状です。
今回は、しっかり実物を見てから決めたい方向け、「完成済み物件」のメリットについてお話します。
実物だから「誤算」がない
新築マンションでも中古マンションでも、すでに建物が完成している物件では何と言っても「確認できる」ことが一番です。
まず、室内の中。それぞれの居室の広さは十分にあるか。置きたい家具は入るか。大型家具はエレベーターや玄関を通過できるかもポイントです。冷蔵庫が大きすぎて、独立キッチンの入り口を通らなかった・・・という話も聞いたことがあります。
そして間取り。家事導線は無駄がないかを見ましょう。
マンションでは収納が大きな課題になります。収納スペースは奥行きも見ておきましょう。
窓から見える景色はすべて確認しましょう。隣の敷地にどんな建物があるか、墓地などが見える場合はあなたにとって許容範囲かどうかを見極めましょう。
窓は開け閉めして、騒音を体感してみるのも重要です。サッシのグレードによっては、閉めきるとほとんど外の音が聞こえないものもあります。幹線道路や線路がそばにある場合は、車や電車が通過する音を体感しましょう。
次に、建物の外観を見てみましょう。
タイルやデザインはあなた好みでしょうか。植栽なども含め、物件全体の雰囲気はどうでしょうか。建物の周りをぐるりと一周して、隣の敷地の建物から十分に離れているかを確認します。
駐車場や自転車置き場もしっかり見ます。あなたの車が収まる大きさの駐車場でしょうか。自転車は決まったスペースに整然と並んでいるでしょうか。
周辺道路の交通量や辺りの臭いも確認しましょう。周辺環境もじっくりと見て回ることが重要です。
マンションでは共用部分も重要です。エントランスやラウンジの雰囲気はどうでしょうか。ゲストルームやキッズルームなどの共用施設がある場合は見学させてもらいましょう。
ゴミ置き場は管理員さんが日々お掃除してくれる場所が、手入れが行き届いているかを見ておきましょう。
部屋の中も建物の外も、実際のものを見られるメリットは「こんなはずではなかった」という後悔が極力少なくなることです。周辺環境については曜日や時間帯を変えて確認することも大切です。
金利のブレが少ないので資金計画が確定しやすい
住宅ローンを借りる人にとっては「金利」がとても重要になります。実際に適用となる金利は物件の引き渡し月の数字です。未完成物件の場合は1年以上前から契約することも多く、金利上昇リスクも大きくなります。
一方で完成済み物件では、早ければ翌月~翌々月には入居が可能です。現在の金利と大きく変動することがないので、資金計画を固めやすくなります。
また、住宅ローン控除のような税制の優遇も年度毎に変更される場合があります。現行制度を利用したい場合は、早め早めに動くことが大切です。
入居できるまでの家賃を節約できる
現在、賃貸物件に入居している人は毎月の家賃がかかります。未完物件は、特に大型物件になると完成まで2年以上かかることもあります。それまでずっと家賃は払い続けなくてはなりません。
家賃8万円であれば、1年で96万円、2年で192万円にもなります。完成済み物件ではそれらが必要なくなると同時に、住宅ローンのスタートが早くなります。ローンの支払い開始が少しでも早くなると、ローンを完済する日も早くなります。
家具付き販売などの特典があることも
最近では、中古マンションのリノベーション物件などでも家具付き販売をしていることがあります。お部屋の大きさに合わせて置かれた家具(ソファセットやダイニングセット)、エアコン、照明、カーテンなどもそのままで入居出来ると、非常にお得です。
見てから決めたい派の方は、「見るべきポイント」をしっかり確認してチャンスを掴んでください。