シングル女性のマンション購入 失敗しないポイントとは

不動産コラム

これまでもシングル世帯の女性がマンションを購入するケースが増えていましたが、その傾向はますます強まっています。経済的に自立した女性が多くなったのはもちろんですが、マンション購入の動機の第一位は「家賃や更新料がもったいない」と感じているからのようです。

それに加えて新型コロナウィルスの感染拡大などで経済の先行きが不透明な中、経済力のある今のうちに長く住めて資産にもなるマンションを手に入れておこうという傾向もあるようです。

今回はシングル女性がマンション購入する際のメリットや注意点をお話します。

賃貸住宅よりも高い居住性と安全性

まず、分譲マンションは建物自体のクオリティが高いことが挙げられます。耐震性の高さや、隣の住戸との境の壁厚、二重床による防音性の高さなど、生活する上での快適さが向上します。キッチンや洗面、風呂場など水回りの設備も賃貸住宅のそれとは比べものになりません。例えば食器洗い乾燥機一つを取っても、忙しい日常の中で時短を叶えることが出来ます。また、セキュリティ面においてもオートロックは最低限で、防犯カメラが沢山設置されている、非常時には警備会社が駆けつける、大型物件などでは24時間有人管理だったりと安心感が違います。

こうした「安全で快適な暮らし」が今の家賃とそう変わらない金額で手に入ること、また資産として残せること、逆にこのまま賃貸だと将来が不安と感じることも動機となっているようです。

狙い目は50㎡前後のコンパクトタイプ

シングル女性に人気なのは50㎡前後の1LDKとなっています。住宅ローン控除の対象となるのが登記面積で50㎡以上となっていることが関係しています。最近、面積要件が登記面積40㎡に引き下げられたこともあり、さらに選択肢が広がっています。住宅ローン控除が受けられるかどうかで資金計画が大きく変わってきますので、最新の税制情報で「契約時期と入居時期」の要件を必ず確認しましょう。それよりも小さい30㎡前後の1Rタイプは、金融機関によっては住宅ローンの融資が受けられないことがあります。小さすぎる物件の場合は、最初から賃貸目的なのではないか?と取られるケースが多いようです。住宅ローンの申込み基準も併せて確認しておきましょう。

加えて万が一将来住まなくなった時のリセールバリュー(売りやすさ、貸しやすさ)を考えると、駅近の物件、共用部分が充実している大規模物件、これから新駅や再開発の予定があるエリアを選ぶと良いでしょう。

また自分自身が将来転職などによって勤務地が変わらないか、なども考えておく必要があります。利用する電車の路線が全く変わることもあるので、乗継ぎのしやすさも考慮しましょう。

最も大事なのは資金計画

いくら頭金を用意しようか、住宅ローンをいくら借り入れ出来るのだろうか、将来支払いの不安はないだろうか。お金にまつわる悩み事を解決しないとマンションは手に入りません。

資金計画は「今の家賃に数万円プラスするだけ」の支出だけでは収まらず、毎年の固定資産・都市計画税、修繕積立金の値上がり、など将来のことも含めて考えなくてはなりません。無理なローンを組んでしまうと、最悪返済不能に陥りせっかく手に入れたマンションを手放すことになります。住宅ローンの支払いと併せて、老後資金や結婚資金などの貯蓄も出来る資金計画にするのがベストです。新築マンションだけでなく価格の安い中古マンションも選択肢に入れ、返済シミュレーションをしっかりと行いましょう。

とは言え、相変わらず住宅ローンの金利は低い基準を保っています。さらに団体信用生命保険に加入する事で、女性特有の疾病や就業不能保障をつける事もできます。賃貸時代よりも何かあった時の保障が手厚くなると感じている人もいます。保険の見直しも含め、FP(フィナンシャルプランナー)にライフプランニングの相談をすることが出来ますので、不動産会社の無料相談会などを利用するのもおすすめです。無理のない購入価格、支払い計画などがきちんと分かるので失敗を防げます。

この先の長い人生の中では、どんな変化があるか分かりません。結婚や親の介護なども含めライフスタイルの変化に対応出来る準備も必要です。

購入後の生活の変化

無事にマンションを購入出来た人達は、「将来の不安が減った」「ゆとりができて毎日が充実している」とポジティブな気持ちの変化を感じられているようです。また「購入後は、繰上返済で早期完済を目指す」という新たな目標が出来、ますます計画的に生活出来るようになったという声もあります。

一方でもっと重視しておけば良かったと後悔している点は「間取り、広さ、収納」「陽当たりや方角」「周辺環境」などが挙げられています。「こんな筈ではなかった」とならないよう十分に確認をしましょう。