「貸せる」「売れる」中古マンションとは⁈−もしも住めなくなった場合に備えて−

不動産コラム

せっかく手に入れたマイホーム。永く住むつもりであっても、転勤や予期せぬ事情で住み続けることが難しくなることもあります。その時にはその住居を「売る」か「貸す」か決断しなくてはなりません。もしもの時に出来るだけ「売りやすい」「貸しやすい」中古マンションを購入しておけば、様々な事態に対応し易くなります。今回は、「売りやすい・貸しやすい」ポイントから物件選びを考えてみましょう。

立地が良いことが何よりも重要

「マンションは立地を買え」とも言われます。何よりも、立地条件が良いに越したことはありません。最寄りの駅からの距離が「徒歩10分以内」であることは一つの指標になります。最近ではネットで物件を検索する人も多いですが、「徒歩◯分以内」という項目が10分を超えると検索から除外されるケースが非常に多いのが現実です。

「交通の利便性」は多くの人が重要視し、かつ誰もが優先順位の高いポイントとしてあげる項目です。複数の路線が使える、バス便も利用できるなどのバリエーションがあればさらにポイントが高くなります。地域性にもよりますがマイカー通勤が多いエリアでは、周辺道路の混雑具合・高速道路などへのアクセスの良さなども気になるポイントです。

個人的な好みとして多少駅から離れていても、閑静な住環境であることを重要視して物件を選ぶ人もいるでしょう。しかし「売りやすさ・貸しやすさ」という観点からは、少々不利になってしまいます。

環境面で言うと、日常の買い物や病院、金融機関などのスポットが充実していることも重要です。

また、子供がいる家庭では学区を非常に気にします。いわゆる「文教エリア」と呼ばれる地域、人気の学区であることは一つのブランドにもなるほどです。有名私立校が林立していたり、人気の高校の受験学区であれば非常にアピールポイントになります。

築年数が古いと売れない?

当然ながら中古マンションでは築年数は浅い方が有利です。駅距離同様、検索サイトにおいても「築10年以内」という基準がキーポイントになっています。実際、築10年ほど経過すると様々な住宅機器(キッチンや洗面台、給湯器など)も不具合が多くなり、修理や交換などが必要になってきます。かと言って必ずリフォームをする必要があるかというとそうでもありません。自分たちで好みのリフォームをしたい買主も沢山いますので、市場とのバランスを見て決めましょう。

また、築年数が古いマンションが全く売れないのか?というとそうではありません。築20年以上、築30年以上のマンションでもちゃんと流通しています。もちろん価格によるとも言えますが、中古マンションの場合は「管理」が行き届いていることの方が重要なのです。管理組合がきちんと機能し、修繕を丁寧に行なっているマンションは人気があります。「修繕積立金」が正常に積み立てられているかどうかがポイントになります。管理は資産価値を大きく左右しますので、日頃から管理に対する意識を高く持つことも大事です。

2LDK・3LDK、スタンダードな間取りが人気

部屋の間取りで言うとやはりファミリー層に人気なのは2LDK・3LDKです。子供が1人~2人の家族数3人~4人世帯が最も求めるプランだからです。1LDKはターゲットになる層が狭いですし、4LDKは高価になることが多いので敬遠されがちです。ただし4LDKは流通している数が少ないため、子供が多い家庭や親との2世帯同居をしたい人には非常に人気です。

また家事動線が良いプラン、角部屋でバルコニーが広い、お風呂に窓がある、トランクルームや収納がたくさんある、柱や梁の出っ張りが少ない、など使い勝手が良い間取りが好まれます。個性的な間取りよりも、将来壁を撤去してリビングダイニングを広く出来るなどの可変性が高い間取りの方が人気です。

「貸す」ことを前提にする場合にはエリアの特性を掴もう

最初から投資目的でマンションを購入する場合には、その立地の特性をきちんと掴んでおかないと借り手がつかず失敗する傾向にあります。

例えば、近くに大学があるので学生が絶えず入居してくれるだろうと郊外の1LDKを購入したAさん。購入してしばらくは入学から卒業まで住み続けてくれる学生さんで埋まっていました。ところが大学が都心の駅前キャンパスに移転してしまい、学生が一斉に転居。それ以来、空き家になってしまい当てにしていた家賃収入が途絶えたそうです。

一人暮らしの人をターゲットにするなら、学生から会社員、シニア世代までいろんな層へアピールできる立地であることが需要です。

「売りやすい・借りやすい」という視点では「自分だったら買ってでも住みたいか・借りたいか」と他人目線で考えることが大事です。購入時に少しだけ視点を変えて物件選びをしてみましょう。