中古マンションとリフォームローン−住宅ローンとの違い−

不動産コラム

マンションを購入する場合、中古マンションを買ってリフォームした方も多いと多います。最近は不動産業者が物件を買い取って、ある程度リフォームを施した形で販売されるケースも増えてきました。リフォーム済みの中古マンションを購入する場合は、通常の住宅ローンで借入れすれば済むため難しくありません。一方で、自分好みのリフォームをしたい場合には「リフォームローン」を利用することになるのですが、どういった特徴があるのでしょうか。

住宅ローンとリフォームローンの違い

そもそも、通常の住宅ローンは借入期間が30年~35年と長く、低金利で貸し出されます。その訳は、対象となる住宅に担保を設定するからです。いわゆる「抵当権」という権利が登記されるのです。

これは、万が一ローンの返済が出来なくなった場合、銀行側からすると貸したお金が回収出来ないとなった場合に、その住宅を差し押さえることが出来るという強力な権利です。

借入金額は最大で1億円程度までと高額ですが、その分審査も厳しくなります。

金利タイプも金融機関によって異なりますが、変動金利型、固定期間選択型、全期間固定金利型などバリエーションがあります。

一方でリフォームローンは、借入期間が5年~15年と短期間で、担保を差し入れる必要がありません。その代わりに金利が住宅ローンよりも高くなってしまうのです。また借入れできる金額も数百万円から1500万円程度になります。

金利タイプはほとんどが変動金利型、固定期間選択型です。

審査はあまり厳しくなく、申込みをしてから短期間で借入れるすることが可能です。

住宅とリフォーム費用を一体で借入れできるローン

上記のように住宅ローンとリフォームローンを別々に借入れする方法が主流でしたが、最近では中古マンションの購入費用にリフォーム費用を上乗せして借入れできる「リフォーム一体型ローン」の取り扱いが多く見られるようになりました。(取り扱いの有無は各金融機関にお問合せ下さい)

一体型ローンの最大のメリットは、費用全体を低金利で借入れできる事です。また、1本のローンで済むため、申込みの手間やそれぞれに係る諸費用を省くことが出来ます。

しかし、いくら低金利といっても35年という長期になる場合には金利も含めた総返済額で比較してみることも必要です。少々金利が高いリフォームローンでも、短期間で完済してしまえば総額で考えた場合に安く上がるケースもあります。利用するローンの金利タイプによっても結果が変わってきますので、慎重に比較してみましょう。

一体型ローンの場合には手続きフローに注意しよう

リフォーム一体型で借入れする場合は、当然ながら「何にどれだけの費用がかかるのか?」を事前に把握して借入れ金額を確定しなくてはなりません。

つまり、必然的に工事の見積もりが必要になるのです。

中古物件では売買前にまだ入居しているケースが多く、実際の部屋に入って採寸したり工事の打ち合わせをすることがなかなか難しいのが現状です。

また、いざ工事に取り掛かってから隠れた瑕疵が見つかって、必要な工事が増えたりするケースもあります。申込みした後で借入れ金額を増額するのは審査も厳しくなるのであまりおすすめ出来ません。また、やりたいリフォームが増えたり変更されることによって、見積もり金額が変動するのも困ります。

一体型ではいかに必要な金額を確定させるかが鍵となります。

また、手続きの順番としてもまずは物件を購入してから、リフォーム工事に入るのが鉄則です。

その為、まずは物件代金を決済するためにいわゆる「つなぎ融資」を利用する必要が出てきます。つなぎ融資とは、事前に金融機関から物件購入に必要な金額を肩代わりしてもらい、申し込んでいる一体型融資のお金が下りるまでの期間の利息を支払うというものです。本融資のお金がおりるまでの短期間をまさに「つなぐ」ので、つなぎ融資と呼ばれます。

この利息が諸経費として必要となってくることにも注意です。

全期間固定金利型のフラット35でもリフォーム一体型融資の取扱いが始まっていますが、必ず「適合証明書」の発行が受けられる物件でなくてはいけません。住宅金融支援機構の技術要件を満たしていないことが発覚すると融資を受けることが出来ないのです。こういったトラブルを避けるためにも、工事期間中に原則3回の物件検査を受けることが義務付けられています。

リフォーム一体型ローンを検討する場合には、手続きの流れをしっかり把握し、リフォームの打ち合わせや段取りを並行して素早く行うことが鍵となります。

中古マンションをリフォームする場合には
①住宅ローン+リフォームローンの2本立て
②住宅ローン(諸費用まで借入れも可)+自己資金でリフォーム
③リフォーム一体型ローン
この3パターンで資金計画を立て、総額を比較しながら検討することをおすすめいたします。