「買取保証付き」の不動産売却とは?メリット・デメリットを解説

不動産コラム

マイホームを売却したい人にとっては高値で売れることはもちろんですが、確実に売却できることが非常に重要となります。売却する際には不動産会社に依頼するのが一番メジャーな方法ですが、一般的には「3か月」ほどの期間とされています。しかし、運よくその期間内に売却が成功するとは限りません。そこで、確実にマイホームを売り切りたい人に是非知っておいていただきたいのが、「買取保証付きの売却」です。今回は「買取保証付き不動産売却」のメリット・デメリットについて解説します。

買取保証付きの不動産売却のしくみ

マイホームを売却する時には、不動産会社と契約を交わして販売活動を行ってもらいます。そして無事に売却が成功したあかつきには、「仲介手数料」を支払う仕組みとなっています。仲介手数料は成功報酬なので、売却が成立しなければ支払う必要はありません。

ただし、その売却活動期間はいつまでもズルズルと続くものではありません。一般的には3か月ほどの期間を定めての契約となります。この期間に不動産会社が買主を見つけることができれば一番良いのですが、問題は期間を過ぎても買主が見つからなかった場合です。通常だとさらに契約期間を延長する、もしくは任せる不動産会社を変更するなどの措置をとらなければなりません。

そこで万が一契約期間内に買主が見つからなくても、不動産会社があらかじめ決めておいた値段であなたのマイホームを買い取ってくれるのが「買取保証付き」です。当初は高値での売却も可能なところが、ただの買取とは大きく違うポイントです。

買取保証付き売却のメリット

この「買取保証付き」のメリットの一つは、通常の売却で発生する「仲介手数料」が不要となる点です。不動産会社が見つけてきた買主さんと売買契約を交わすと、その売却価格の3%+6万円(税抜き)の仲介手数料が発生します。マイホーム売却に必要な諸費用の大部分を占めるのがこの仲介手数料なのですが、これが不要つまり0円となるわけです。

二つ目のメリットは、「時期が具体的になる」ことです。マイホーム売却で一番不安なのが「いつ売れるのだろうか」という時期の問題です。住み替えをする人にとって、今のマイホームが現金化できる時期が明確になることは重要なポイントとなります。いつ頃にいくらの現金が入ってくるかが分かれば、まず資金計画が立てやすくなります。買取での資金だけで足りるのか、不足があれば住宅ローンを借入するのかという問題もはっきりします。また転居時期なども具体的に検討しやすくなります。万が一売れなかったら・・・という心配をすることもありません。

特に間で「仮住まい」を挟みたくない人にとっては、メリットがあると言えるでしょう。住み替えをするときには、マイホームが売れてしまうと明け渡しをしなくてはなりません。次の住み替え先への引越しまでに時間が空きすぎる場合には、ひとまず仮住まいへ引越し、そのあとで住み替え先に引っ越すことになります。引越しを2回するのは非常に負担となりますし、一時期賃貸住宅を借りるための費用も余分にかかります。

買取保証が付いていると決済時期を相談することも可能なので、引越しを一度で済ませることが可能になります。

買取保証付き売却のデメリット

一方で、買取保証付き売却にもデメリットはあります。「確実に現金化」できることは約束されますが、その価格については一般の売却価格よりも低くなってしまいます。相場としては一般の売却価格の9割~8割と言われます。もちろん、その不動産の種類(マンション、戸建て、土地)や存在するエリアにも影響されます。

不動産会社はその物件を買取った後で、リフォームをして再販します。その費用分安くなっているという仕組みです。

また場合によっては築年数に制限がある、また新耐震基準を満たしている物件に限るなどの条件があることも多いので、事前にきちんと確認しましょう。

最初は通常の売価期間を経てから買取となる方法のため、中には売却活動を積極的にやってくれない不動産会社もいます。しっかりとした実績があり、信頼できる不動産会社に依頼するようにしましょう。

どんな人が「買取保証付き売却」に向いているか?

確かに売却するよりも少々安くなってしまうのが「買取」のデメリットではありますが、確実に売り切りたい人にとっては有効な方法です。

・売却時期を明確にしたい人

・確実に現金化したい人

・仲介手数料を省きたい人

・なるべく近所の人に売却活動を知られたくない人

・リフォームの必要がある古い物件

価格よりも確実性、計画性を重要視する人は、ぜひ検討してみてください。