マンションを購入して持ち家になると、これまで支払う必要のなかった税金が課税されることになります。皆さんがよく聞いたことのある税金は「固定資産税」ではないでしょうか?これは、不動産を所有している人に課税される税金の一つです。そして、固定資産税(正式には固定資産税・都市計画税)の他にもう一つ忘れてはならない税金があります。
それが「不動産取得税」です。この税金は、マンション(土地や家屋)を購入した時に、ただ一度だけ支払わなくてはならないものです。
マンションの引き渡しを受けた後、生活が落ち着いた頃に突然「税金を払って!」という書類が送られてくるので、びっくりされる方が多いのが実情です。マンションの営業マンからこんな税金がかかるなんて聞いてない!というケースもありますが、税金は国民の義務でもあるので逃れることは出来ません。
今回は、「不動産取得税」がどんな税金で一体いくらぐらいになるのかをお話しします。
不動産取得税とは
入居してからしばらくすると(数ヶ月から半年後ぐらい)、自治体から納税通知書が送られてきます。固定資産税が国税なのに対し不動産取得税は「地方税」と呼ばれる税金で、各都道府県の税事務所が手続き場所となります。
不動産取得税の税額は、「課税標準額×税率」で計算されます。課税標準額とは法律上、その不動産の価格のことを指します。しかしこの価格とは実際に売買したときの値段ではなく、原則として固定資産税評価額(以下、評価額)と呼ばれる公的な価格を言います。この評価額は役所が実際に物件を調査して決めるものですが時価よりも低いのが通常です。土地の場合は時価の7割程度、建物の場合は5~6割程度が目安とされています。
税率は「原則4%」なのですが、土地と住宅については2021年3月31日の取得までは「3%」に引き下げられています。この引き下げには特に要件はなく、土地か住宅であればOKです。また宅地や宅地と同じ扱いを受ける土地に限っては同じく2021年3月31日まで、評価額の2分の1が課税標準額となっています。
要件を満たせば軽減措置が受けられる!
住宅(マンションでも戸建てでも)を購入する場合、住宅が一定の要件を満たせば軽減措置が受けられます。まず建物については評価額から一定額が控除されます。控除額は住宅が新築された日に応じて下記のように決められており、1997年4月1日以降に建てられた住宅であれば1200万円が控除されます。
《建物の評価額からの控除額》
新築日 控除額
1997年4月1日以降 | 1200万円 |
1989年4月1日~1997年3月31日 | 1000万円 |
1985年7月1日~1989年3月31日 | 450万円 |
1981年7月1日~1985年6月30日 | 420万円 |
1976年1月1日~1981年6月30日 | 350万円 |
1973年1月1日~1975年12月31日 | 230万円 |
1964年1月1日~1972年12月31日 | 150万円 |
1954年7月1日~1963年12月31日 | 100万円 |
この軽減を受けるためには、建物が以下の要件を満たす必要があります。
《軽減措置が受けられる建物の要件》
・床面積が50㎡以上240㎡以下
・取得者の居住用、またはセカンドハウス用の住宅であること
・1982年(昭和57年)1月1日以降に建築されたもの、それ以前に新築された建物の場合は建築士等が行う耐震診断によって新耐震基準に適合していることが証明されていること(なお、証明に係る調査が住宅の取得日前2年以内に終了していることが必要)または新耐震基準に適合していることが証明されたもの
また新築・中古に関わらず、マンションの場合は専有部分の面積に加え、共用部分に共有持分を乗じた部分ついても課税されます。
また、土地については次のAかBの多い金額が控除されます。
A=45,000円
B=(土地1平米あたりの固定資産税評価額×1/2)×(住宅の床面積 ×2)× 3%
マンションの場合土地については全戸での共有となるので、非常に安価もしくは控除で相殺されてゼロになるケースがほとんどです。
ただし、上記の軽減措置を受けるためには「申告が必要」となります。納税通知書が送られてくる前にの期限内に各都道府県の税事務所で手続きを行いましょう。軽減措置を受けられるか否かで、税額が大きく変わります。通知書が来た後で気付いた時には、とにかく税事務所に問い合わせをしましょう!納税通知書を受け取ってからでも手続きすれば、軽減を受けられるのが一般的なようですが、100%とは言い切れません。マンションを買ったら念のため自治体のホームページなどで期限を知っておきましょう。