ペット可マンションで快適に暮らすポイントとは-トラブル回避の秘訣-

不動産コラム

一昔前に比べ犬や猫を飼っている家庭が増えてきたこともあり、新しく発売される分譲マンションの8割が「ペット飼育可能」なマンションだと言われています。マイホーム探しをする中で「ペットが飼えること」を条件にしている人も多いでしょう。しかし、ペット可マンションではトラブルも多く報告されています。今回はこれから犬や猫と一緒に暮らすマンションライフを考えている人にとって、最低限知っておくべきことをご紹介します。またペットを飼う予定がない人も、「ペット可マンション」に入居する場合に起こりうる状況を知っておきましょう。

「ペット可マンション」には様々なルールがある

ペット(犬や猫)が飼育できるといっても、何でも許されているわけではありません。通常は管理規約でペット飼育に関するルールが定められています。

一般的には、次のような内容です。

  • 1家庭につき飼育可能な頭数
  • ペットの大きさ(体長)・体重の制限
  • 管理組合への届け出
  • 飼育できる場所、禁止事項など

まず飼育できる頭数が制限されています。以前は1家庭1匹が主流でしたが、最近では「犬猫あわせて2匹まで」という物件も出てきています。

さらにペットのサイズにも制限があります。特に犬の場合は、成犬の状態で「体長〇センチ以内(例:胸骨から尾骨まで)、体重〇キロ以内」と細かく規定されています。犬種によっては成犬になった状態でサイズオーバーする可能性があるので注意しましょう。当然ながら、大型犬の飼育は不可能となります。

飼育することが決まったら、管理組合への届け出を義務付けているところがほとんどです。ペットの写真などを添付して書類を提出し、管理会社はどの住戸にどんなペットがいるのかを把握します。

また、飼育できる場所は基本的に「専有部分のみ」となっています。したがって共用部分であるバルコニーに犬小屋を設置して飼育することは出来ません。犬の場合は日常的に散歩に出かけることになると思いますが、マンション内では「抱きかかえる」もしくは「ケージに入れて移動する」ことが必須です。共用廊下やエントランスなどを歩かせてはいけません。前述のサイズ制限は、抱きかかえることが基本とされているからです。

「ペット飼育」に関するトラブル

マンション内でのペット飼育に関するトラブルの1位は「鳴き声」です。オーディオや楽器と並んで、音トラブルのひとつに挙げられます。とはいえペットも生き物ですから鳴くのにも理由があります。無駄吠えや夜鳴きをしないよう躾をすることが大前提です。また吠えやすい犬種もありますので、性格や特徴をきちんと理解して飼育しましょう。

鳴き声意外にも、匂いや抜け毛などがご近所に迷惑をかけることもあります。エレベーターの中や敷地内で糞尿をさせてはいけません。トイレの躾は最低限のマナーとして守りましょう。また、抜け毛が近隣住戸の洗濯物についてしまうこともあります。バルコニーでブラッシングをすることも避けましょう。

犬猫以外のペットのトラブルもあります。「飼育していたニシキヘビが逃げ出した」というようなニュースがテレビで放送されたりしています。爬虫類や猛禽類など、また毒をもっているような動物の飼育は禁止されていることがあります。さらに営利目的の繁殖活動(ブリーダー)も禁止されています。

他の居住者への気配りを忘れない

マンションは集合住宅です。特にこれまで戸建て住宅でペットを飼っていた人にとっては、いろいろな制限を窮屈に感じるかもしれません。飼育している家庭にとってはペットは家族の一員ですが、中には犬や猫が苦手な人、またペットアレルギーを持っている人が住んでいるかもしれません。

エレベーターにペットボタン(ペットが同乗していることを知らせる)が設置されている場合には、きちんと利用しましょう。また、乗り合いになる際には一言断るなど、声掛けも忘れないようにしましょう。

また犬が飛び掛かったり、噛みついたりすると思わぬ事故やケガにつながります。必ず首輪とリードを装着し、絶対にフリーで歩かせないようにしましょう。また狂犬病の予防接種など、飼い主として必ず行わなければならない手続きを怠ってはいけません。

さらに一歩進んだ「ペット共生マンション」

これまでは「ペット飼育可能」なマンションの内容でしたが、さらにペットとの生活を目的とした「ペット共生ンマンション」も出現しています。まだまだ数は少ないですが、飼育可能マンションよりも「ペットと暮らす」ことを前提とした住宅なので、入居者もペットを飼っているもしくは飼う予定がある人が集まります。こうしたマンションでは、敷地内に共用ドッグランがある、ペットにやさしい床材が採用されているなど設備が充実しています。

ペットを飼っている人も、飼っていない人も、より良い住環境を求めてマイホームを購入します。お互いにモラルと思いやりを持ってマンションライフをおくりましょう。