マイホームを購入しすでに住宅ローンを返済中の人にとって、「最近は金利が低いと聞いたけど、借換えした方がお得なの?」と考えている人も多いでしょう。「借換え」と聞くと、一番のポイントとなるのは「金利がどれだけ下がるか」つまり、現在返済中の住宅ローンと借換えた後の住宅ローンにどれだけの金利差が生じるのかです。しかし、借換えをする際には金利差ばかりに気を取られてはいけません。借入れを成功させるために、知っておくべきポイントをご紹介します。
借換えの一番のメリット
借換えをする一番のメリットは、金利が下がる事です。金利が下がればダイレクトに返済額も下がりますし、トータルの総返済額にも影響します。月々の支払い額が各段に下がらなくても、10年20年と経過していくと100万円単位で差が生まれることもあります。つまり、今よりも金利が低い商品に借換えをしなければ意味がありません。そのためにはいろんな金融機関の金利情報を集め、比較検討をする必要があります。
また金利そのものだけではなく、「金利タイプ」も変更することが可能です。変動金利、固定金利、固定期間選択型と大きく3つのタイプに分かれていますが、その時の経済情勢に合わせて変更出来るのもメリットです。変動金利で借入れ中に金利が上昇局面に入れば、早めに固定金利に切り替えて安定させるといった具合です。(実際には固定金利から先に上昇してくため、変動金利が上がる頃には固定金利はすでに上昇した後かもしれません。変動金利の変化には、しっかりとアンテナを貼っておくべきです。)
借換えのデメリット
毎月の返済額が少しでもお得になるのであれば借換えをするメリットはありますが、実はそれなりに諸費用がかかります。
借換えは現在返済中の住宅ローンを完済し、次にまた新しく住宅ローンを組むことになります。当初住宅ローンを借入れした時と同じように、融資手数料、保証料、印紙代などの住宅ローンに係る費用、現在の抵当権を抹消する登記費用、新たに抵当権を設定する登記費用も必要です。住宅ローンを一括完済する際の手数料も掛かります。こうした諸費用も含めて、借換えシミュレーションをしてみることをおすすめします。
「団体信用生命保険」目線で考える
借換えを考える時に、金利だけでなく「団体信用生命保険」のことも比較してみましょう。最近ではこの団信の補償内容で、他銀行の住宅ローンと差別化を図ろうとする動きが活発になっています。
以前はいわゆる死亡保障と高度障害保障しかありませんでしたが、ガン特約をはじめ、3大疾病付き~11大疾病付きまで幅広い保障があります。
これまで一般団信にしか入れていなかった人にとっては、手厚い団信に入り直せば非常に安心感が持てます。ただし、注意点が一つあります。それは「加入年齢」です。多くの団信のがん特約などの年齢制限は50歳もしくは51歳未満となっています。
逆に、すでにガン保障付きの団信で返済中の人が50歳を超えて借換えをしようとすると、借換えた住宅ローンでは一般団信にしか加入出来なくなってしまいます。返済額が下がったとしても、病気のリスク対する保障が無くなってしまうので、ここは慎重な検討が必要となります。
借換えにも審査がある
借換えとは住宅ローンを新たに契約することです。したがって、その時点での年収や債務状況を再度審査されます。
住宅ローン返済中に転職をしてまだ間もなかったり、自営業に変わっていた場合には審査が厳しくなります。年収はもちろん、勤続年数や事業の安定性は金融機関が重要視するポイントです。転職を考えている人は、借換えのタイミングも併せてよく考えましょう。また、車のローンなど他の借入れとのバランスも考えなくてはいけません。もちろん、現在の住宅ローンを滞りなく返済しているかも重要です。
通常、民間金融機関で住宅ローンを組んでいた場合、同じ金融機関での借換えはさせてもらえません。別の金融機関の商品から探しましょう。ただし、フラット35からフラット35への借換えは可能です。ここでの注意点は、例えば夫婦で収入合算して連帯債務になっていた場合、借換えする際にも同じ借入れ条件での審査となります。当初は妻にも収入があったのにその後退職していた場合には、同一の債務者になれなので借換え出来ません。一方で債務者の追加は可能なので、単独債務から連帯債務にすることは可能です。
一般的に借換えすべきと言われているのは、
- 金利差1%
- ローン残高1,000万円以上
- 返済残年数10年以上
の場合です。しかし、この条件にあてはまらなくてもこの条件に近いほどメリットが生まれる可能性が高くなります。借換えを考える時には必ず諸費用込みのシミュレーションを行い、タイミングを逃さないように動きましょう。