2020年4月にも改正があったフラット35ですが、この度新たに2021年1月からの改正が発表されました。この改正は中古マンションを考えている人にとっては、朗報となる内容です!
1月から・・・となるとずいぶん先のようにも思えますが、この情報を知って物件探しをするのと知らないままでいるのとでは大違いですので、大いに活用してしてください。
中古マンション市場は値下がり中?
大手不動産会社が売主の新築マンションに比べ、中古マンションは成約価格が低くなっています。平均で1000万円~1500万円も低いとなれば、検討の選択肢も随分広がってきます。
また2020年に入ってから世の中はコロナ禍で、想像もしなかった状況になっていますが、やはり個人が売主となる中古マンションは値下がり傾向が強くなっています。
フラット35の制度改正
全期間固定金利でお馴染みの「フラット35 」は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が連携している住宅ローンです。自営業者や転職して間もない人、派遣社員やパートの人でも申し込みができるのもあって人気があります。そうした利用しやすさだけではなく、良質の建築基準を満たしている住宅には金利優遇で応援してくれる特徴を持っています。
そして2021年1月からの制度改正では、中古住宅をリフォームして取得する場合などに利用できる「フラット35 リノベ」の条件が大幅に緩和されることになりました!
住宅金融支援機構は独立行政法人のため、国の住宅施策の方向性に影響を受けます。実はこれまでは新築住宅を取得する支援が多かったのですが、全国に点在する空き家対策のため、近年は中古住宅流通を活性化させる方向へシフトチェンジしている背景があります。
フラット35 リノべの拡充
フラット35リノべでは一定期間0.5%も金利を引き下げてくれます。金利Aタイプでは10年間、金利Bタイプでは5年間です。いくら低金利時代だと言っても、そこからさらに0.5%もの優遇は見逃せません。
それぞれの要件は次のようになります。
【金利Aタイプ:リフォーム工事費300万円以上】
リフォーム後に次のいずれかを満たす住宅(選択された工事を行う必要あり)
- 一次エネルギー消費量等級5
- 耐震等級3
- 高齢者等配慮対策等級4位上(マンションの専有部分は等級3でも可)
- 長期優良住宅
【金利Bタイプ:リフォーム工事費200万円以上】
次のいずれかの工事が行われた住宅
- 省エネルギー改修工事
- 省エネルギー設備設置工事
- 耐震改修工事
- バリアフリー改修工事
- 耐久性を向上させる工事
ここで注目なのが金利Bタイプの条件です。
上記の5つの条件がこれまで比べて格段に緩和されました。内容的には住宅ローン減税等の対象になるリフォーと同等で、機構が定める工事であれば良いことになったのです。この点は利用者にとって非常にハードルが下がったことになります。
支払額はどのくらい変わる?
では具体的に0.5%の金利優遇があった場合となかった場合で、支払額はどのくらい差が出るのでしょうか?
今月のフラット35の金利1.3%をベースに比較してみましょう。
中古マンション購入代金とリフォーム工事代で3000万円(35年返済、元利均等ボーナス払いなし)を借入れした場合
当初5年間の毎月支払額は88,944円
フラット35リノベ金利Bタイプで0.5%の金利優遇を受けた場合→金利0.8%
当初5年間の毎月支払額は81,918円
毎月7,026円の差です。これが5年間となると421,56円にもなります。
借入れ金額が5000万円にもなれば、毎月支払額は148,421円と136,530円、差は11,891円に広がります。そして5年間の差では713,460円に膨らみます。
この差を知っているのと知らないのとでは大違いです。
さらに条件を満たせるのであれば、金利Aタイプを利用して金利優遇期間を10年にすればもっとお得な金額が大きくなりますね。
ちなみにフラット35リノベでは、個人のお客様が中古マンションを購入して性能向上リフォーム工事を行うケースと、住宅事業者が中古マンションに性能向上リフォームを施して販売したものを購入するケース、両方で利用できます。
最後に、これまであった「フラット35 リフォーム一体型」融資は、「フラット35リノベ」に吸収される形となり、2020年12月を持って受付が終了となります。リノベが拡充されますので、利用者にとっては不便はありません。
2021年1月から格段に利用しやすくなるフラット35 リノベ、是非活用してください。