auじぶん銀行が50年ローンとペアローン団信を開始!「超長期」返済時代の到来か?!

不動産コラム

大手ネット銀行のauじぶん銀行は、2024年オリコン顧客満足度調査で、「住宅ローン金利」「団体信用生命保険の充実さ」で1位を獲得する人気度を誇っています。このたび、借入期間を最長50年までとする住宅ローンと、ペアローン利用者向けの新たな団体信用生命保険を2025年1月から開始するとの発表がありました。近年、借入期間を最長50年とする銀行が増えてきましたが、ネット銀行では住信SBIネット銀行、楽天銀行に次いで3行目となります。

今回はauじぶん銀行の住宅ローンの人気の秘密を解説します。

ネット銀行ならではの手続き

ネット銀行は窓口がないため、基本的にパソコンやスマホから手続きが完了します。申込や契約、各種変更手続きにわざわざ出向かなくても良い便利さがあります。銀行の営業時間内に手続きに行くことが難しい人を中心に、利用者が広がっています。一方で、重要なメールを見落としてしまったり、指定された期日を守って手続きを行わないと想定外の日数を要してしまうことがあるので注意が必要です。

また、窓口がない代わりに提携ATMは全国に約90,000台あり、スマホだけで入出金可能、24時時間365日手数料も無料です。親会社である三菱UFJ銀行間の振り込みは、何度でも無料となっています。

利便性が高い一方、ネット銀行口座は普段の生活口座とは別に作ることが多いため返済額を毎月振り込む手間が面倒です。うっかり資金移動を忘れてしまうと、延滞の実績を残してしまうのも痛手です。こうした事故を防ぐために「定額自動入金サービス」が用意されています。生活口座から住宅ローン返済額を自動振替することができ、給与振込口座を変更しなくても良いので、好評なサービスです。

団体信用生命保険の充実度

低金利な上に団体信用生命保険の保障が充実しているのが、auじぶん銀行の最大の魅力です。

以前は金利上乗せなしで「がん50%保障」でしたが、現在は「がん100%保障」に改正され所定のがんと診断確定された場合には、ローン残高は0円となります。

さらに金利上乗せなしで「がん保障50%+4疾病保障付き」のプランもあります。がん保障は50%にとどまりますが、所定の急性心筋梗塞、脳卒中で所定の状態に該当したとき、所定の手術を受けた時、所定の肝疾患・腎疾患で継続して60日以上入院した時にはローン残高が半分になります。

金利を0.10%上乗せすれば、「がん100%保障プレミアム」にバージョンアップし、上記に該当するとローン残高は0円になります。

日本人の2人に1人ががんに罹患すると言われる時代、がん保障が充実しているのは大きな魅力です。ただし、満50歳未満の方しか利用できませんので注意しましょう。

待望のペアローン団信が開始

今回の発表の目玉の一つが「ペアローン団信」の開始です。ペアローン(夫婦で2本の住宅ローンを借入する手法)利用者にとっては、従来の団信では万が一の時に片方の債務しか保障されず、将来の生活に不安を残してしまうことが課題でした。

共働き世帯のペアローン利用率が高まるにつれ、パートナーにもしものことがあった時に両方の債務が保障される団信が切望されてきました。いよいよ、auじぶん銀行でもペアローン団信の取り扱いが開始されることとなり、今後追随する銀行が増えることになるかもしれません。実際にどれだけの上乗せ金利で利用できるかなどの詳細は、公式ウェブサイトで発表となる予定です。

「50年返済」が定番化する?

全国の地方銀行では以前から「50年返済」の住宅ローンを取り扱っているケースが見受けられましたが、いよいよネット銀行の住宅ローンでも50年返済の取り扱いが3行目となりました。背景には住宅価格の高騰となかなか給与が上がらない日本経済の問題がありますが、特に若い世代の住宅購入の後押しとなるのは間違いありません。35年返済よりも返済期間が15年延長されれば、当然毎月の返済額は安くなります。また50年返済にすることで借入金額を増やし、購入する住宅の選択肢を広げることも可能です。今後は50年返済が定番となる時代が到来するかもしれません。

ただし、ほとんどの銀行では完済年齢が80歳となっていますので、50年返済が利用できる年齢は30歳までとなります。完済年齢を82歳や83歳程度に延長する動きが同時進行すれば、さらに利用しやすさが広がると考えられます。

住宅ローンを選ぶ視点

住宅ローンを選ぶ際には、もちろん金利が重要です。現在は変動金利が上昇する局面に入り、将来の金利上昇に対する不安にどう対応するかがテーマとなっています。しかし、金利だけでなく「返済期間」や「団体信用生命保険の補償内容」も幅広くなり、多角度的に住宅ローンを選べる時代となりました。

これからマイホームを購入する人は、さまざまなパターンを比較検討してみましょう。また、すでにローン返済中の人も、借り換えでより条件の良い住宅ローンに変更することも可能です。いったん売却して既存ローンを完済し、新しく住宅ローンを借り直すのも一つです。