マンションの資産価値とはー値崩れしない物件選びー

不動産コラム

皆さんがマンション選びをする際には、どういった条件を優先するでしょうか?
立地、間取り、価格、広さ、子供の学校区、環境、通勤の利便性、街の将来性・・・
様々な項目の中で自分たちが優先したいものの点数が高ければ、「買うべきマンション」となります。自分達の希望に叶うことがまず大前提となりますが、ここにもうひとつ「資産価値が落ちないマンションであること」を追加する人も多いでしょう。
長い人生の中では、転勤や子供の独立、親との同居など、ライフステージや同居家族は変化していくものです。
その時にスムーズに住み替えが出来るよう、「資産価値が落ちないマンション」の条件をお話しします。

駅からの距離

最寄りの駅やバス停など、マンションから公共交通機関まで徒歩何分の距離か?これは最も重要なポイントです。
実は「徒歩7分以内」を境目に、中古市場での売れ行きは変わってきます。
ざっくりと「徒歩10分以内」をベースに、理想としては「徒歩5分以内」、歩けたとしても「徒歩15分以内が限界」とする人が大半です。これは、あなたが購入条件として考える事とあまり変わらない内容ではないでしょうか。
今はネットの時代なので、マンション情報サイトを利用する人がほとんどです。条件の絞り込み設定で「徒歩10分」を超えると候補から弾かれる(=売りにくい)確率が高くなります。
今後は、ますます共働き世帯が増加すると考えられるので、駅からの距離はより重要視されていくでしょう。

マンションの総戸数

基本的に、総戸数が多いマンションほど共用施設やサービスが充実しています。さらに管理費や修繕積立金の一戸あたりの負担が軽くなるため、規模の大きさは中古市場での売れ行きに影響します。
①200戸以上 ②100戸以上200戸未満 ③100戸未満の順で人気が高いと言われています。
ただし、「使わない施設が多いと管理費・修繕積立金が勿体ない」という側面や「世帯数が多いと管理組合の意見がまとまりにくい」という懸念を持つ人もいます。(ここは価値観の違いによる項目なので、小規模マンションがダメという話ではありません。)
また、共用施設やサービスだけでなく、建物の躯体の堅牢さや商業施設との併設など、スケールメリットの豊富さも評価のポイントになります。

方角

部屋のメインとなるリビングがどの方角を向いているか、これは陽当たりにも関係してくる項目です。
基本的に日本人は「陽当たりの良い南向きを好む」傾向が強いので、少しでも南面に面していると有利です。
ただし、人気のタワーマンションでは必ず「北向き」の住戸が設計され、かつ都心部での供給は必然的に多くなります。
北向きであっても、眺望など(花火大会が見える、海が一望できる、夜景が綺麗に見える、など)他のプラス要因・付加価値があると断然有利になってきます。「陽当たりは無くても、◯◯が手に入る」というのが重要ポイントになります。

住戸の階数

人気の順番は①20階以上 ②10階〜19階 ③ 1〜9階 となり、上層階の方がより値崩れしない傾向があります。(そもそもマンションの価格が上層階ほど高く設定されているのはこうした背景があります。)
ただし、これは周辺環境に左右されることも忘れてはなりません。重要なのは、周辺の建物の影響で日照や眺望が遮られないことです。また、その部屋から「何が見えるか」もポイントです。
たとえ2階や3階の低層階だったとしても、目の前に公園や敷地内の植栽があれば部屋から緑が見えることだってあるのです。大切なのは眺望や陽当たりを確保出来るかどうか。ここをクリアしていれば、9階以下でも不利になるとは限りません。
最近では未完成の新築物件でも、モデルルームなどで眺望シミュレーションが用意されていることがあるので確認してみましょう。

間取り

かつては部屋数を重視する人が主流だったため、3LDKに人気が集中していました。しかし近年では、部屋数よりもリビングのゆとり・広さを重視する人が増加しています。小学校時代の子供には個室を与えずリビング学習させる家庭が増えているのも、こうした傾向に拍車をかけています。
リノベーションやリフォームで部屋の中はある程度変化させることが可能なので、変えることのできない物件自体の広さ(㎡数)で考えると良いかもしれません。
加えてファミリーに人気のエリアなのか、単身者世帯に人気のエリアなのかでも人気度は変わってきます。その時の市場ニーズの変化も視野に入れておきましょう。

築年数

建築技術や設備機器の進歩は、日進月歩です。マンションは新しい物件ほど高値で取引される傾向にあります。概ね「築20年未満」が一つのラインになるでしょう。
ただし築年数が古くても、めったに物件が出回らない完成した高級住宅街に位置していたり、環境が整備され生活利便性が高いなどの好条件が整っていると、築年数が古くてもある程度資産価値を高く保てます。

新築・中古に関わらず、「マンションの資産価値」を判断する際に参考にして下さい。