マンションの「資産価値」は何で決まる?

不動産コラム

家(不動産)は人生で一番高い買い物です。どんな人でも、自分が購入した家の価値が将来に渡って高い水準を保つことを願っています。よく耳にする「マンションの資産価値」とは何でしょうか?

一般的にマンションは建てられた(新築)瞬間から、価値が下がっていくものです。しかし、世の中には新築で購入して10年経過しても、値段がほとんど下がらないマンションが存在します。「資産価値が高いマンション」にはどんな特徴があるのでしょうか。

1:立地で決まる

やはりマンションの価値を大きく左右するのは立地です。建設地が人気エリアであることは資産価値に直結します。マンションの価格は需要と供給のバランスで決まるものなので、人口が将来的に減らない、もしくは増え続けるエリアでは需要が減らないのです。

人気のエリアと聞いて一番に思い浮かぶのは、やはり昔から高級住宅地としてのイメージが定着している街です。また、景観が美しい街も雰囲気が良く人気です。自治体が景観を整備していたり、地区計画に基づいて開発している地域は街並みが綺麗です。

また再開発が行われた、もしくはこれから行われるエリアも注目です。利便性が整い、街全体がリニューアルすることで一気に価値が高くなります。

また交通の利便性が良いと、非常にポイントが高くなります。まずは最寄り駅までの距離が徒歩10分以内であること。将来マンションを売却する場合だけでなく、賃貸マンションとして貸し出すことを想定してみましょう。借り手が付きやすいマンションは資産価値が高いと言えます。特に駅まで徒歩1分以内だったり、駅直結のマンションは資産価値がほとんど落ちません。

その他にも複数の路線が使える、電車だけでなくバス便もある、高速道路に乗りやすいなど、通勤・通学の利便性の良さは、日常の「暮らしやすさ」に影響します。

日常生活で言えば、買い物の利便性が良いこともポイントです。大きな商業施設が近くにある、商店街があることはもちろん、それらの営業時間も確認しましょう。商業施設と一体開発のマンションでは車で出かけることなく徒歩数分で行き来できます。また24時間営業スーパーであれば共働き世帯にはとても便利です。

2:部屋の広さや機能で決まる

物件の部屋自体の広さ、設備機器の充実度はもちろんですが、その部屋ならではの特徴もポイントとなります。例えば、収納が多い(ウォークインクローゼット、シューズインクローゼット、トランクルーム等)床暖房がある、天井高が高い、バルコニーが広い、勝手口がある、お風呂に窓があるなど、機能的な設備や「一般的ではない何か」があると価値が高くなります。

また、中古マンションをリノベーションした場合にも、デザイン性が高い、最新設備が取り付けられている、使いやすい間取りになっているといったことが資産価値を下がりにくくします。

3:管理で決まる

立地などの環境面は変えることのできないハード面になりますが、あわせて重要なポイントは「管理」です。「マンションは管理を買え」とも言われているほどです。日々のメンテナンスがしっかりと行われ、定期的な点検と修繕が行われてこそ、マンションの資産価値を保つことが可能になるのです。中古マンションであれば次のポイントをチェックしてみましょう。

  • エントランスや郵便受け周辺が清掃されている(チラシなどが散乱していない)
  • 植栽が整えられている(枝が伸び放題になっていないか、落ち葉が散乱していないか)
  • 外壁にヒビ割れがないか
  • 外壁タイルが剥がれ落ちていないか
  • 設備に破損箇所がないか

新築マンションであれば、管理員の勤務日数や勤務時間、警備会社によるセキュリティの有無などを確認しましょう。

また管理を語る上で必ずチェックしていただきたいのは、「修繕積立金」の金額と積立額です。修繕積立金が安すぎないか、きちんと計画的に積み上がっているかという問題は、外壁やエレベーターなどの大掛かりな修繕工事の成功を左右します。建物の資産価値を低下させないためには、きちんとした「長期修繕計画」に基づいて将来に備えてあるかが鍵となります。

不動産の価格は、当然ながらその時点での経済状況にも左右されます。バブル期のような異常な景気が再びやってくるとは考えにくいですが、新築マンション市場が上がると中古マンションも引っ張られて上昇することもあります。人口が増えている地方都市ではそのような状況も起こっています。

将来の資産価値も念頭に置きつつ、あなた自身の「居住価値」を大切に物件を選んで下さい。