中古マンションは築何年が買い?

不動産コラム

中古マンションの良さは、なんといっても「立地」です。
この辺に新しく建設されないかな・・・と待っているよりも、すでに出来上がっている物件から探す方が良い場合があります。
特に共働きが増えている現代では、キーワードは「時短」です。通勤時間や日々の買い物に便利であればあるほど、生活にゆとりが生まれます。こうした観点から、すでに街として成熟しているエリア、使える路線が多く駅周辺が整備されているエリアに絞って物件を探した方が、より希望に合った物件に出会えます。
そうなると「新築にこだわらずに住宅を買うならば、築何年くらいの中古マンションにしたらいいだろう?」と悩む人は多いですよね。
成約率が最も高いのは築11年〜15年の物件というデータがあります。つまりそのくらいの築年数の中古マンションは、何かしらの狙い目があるようなのです。

築年数による中古マンションの特徴

築5年以内の比較的新しい物件だと新築と並行して検討する人が最も多いでしょう。設備もそれほど変わりなくもちろん交換も不要、ハウスクリーニング程度で収まるケースも多いでしょう。価格はそれほど下落しておらず、新築時とあまり変わらないので割安感は乏しいかもしれません。また流通している物件の数がそれほど多くない現実があります。

築6年〜10年未満の物件では、設備はやや古くなって汚れも目立ち始めますが「お金をかけて交換するにはまだ早い」という印象です。大規模修繕が目前に迫ってくるので、場合によっては積立金の値上げなども検討が必要となってきます。

一方築11年〜15年の中古マンションは、大体新築時の3割安ぐらいで成約しています。設備はちょうど交換が必要な時期を迎えていますので、内装を含めて思い切ったリフォームを決断できます。間取り変更を含めた全面リフォームを施しても、新築より割安感があります。
また、ちょうど大規模修繕が完了したマンションであれば、外観や共用部分が綺麗になっていることも期待できます。
こうした理由から、この築年数のグループが中古市場では多く取引されているようです。

おススメなのは2001年以降の物件

もう一つ、中古マンションを選ぶ上で見逃せないポイントがあります。
キーワードは「2001年以降」です。ということは、概ね築20年以内のマンションとなります。
実は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(いわゆる「品確法」)が施行されたのが2000年4月です。
これは消費者が安心して良質な住宅を取得出来ることを目的とした法律で、「瑕疵担保期間の10年義務化」と「住宅性能表示制度」の2点が盛り込まれました。
この法律が出来たことで、新築住宅においては基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分)について、10年間の瑕疵担保責任が義務付けられました。この義務は新築住宅に対してのみですが、引き渡し後10年間は、建物に何らかの瑕疵(工事の不備や欠陥等)が見つかった場合、無性で補修をしなくてはならないのです。
つまり、新築マンションの売主は建物に責任を持つ必要が生まれ、その結果、住宅の基本性能が向上することになりました。

また、「耐震性」「省エネルギー性」「遮音性」などの住宅の性能を明らかにし、事前に比較できるようにしたのが住宅性能表示制度です。例えば「耐震等級」では地震に対してどのくらいまで耐えられるのかを数値で比較できるようになりました。
ただしこれは任意の制度なので全てのマンションで取得しているものではありません。
しかし法施行直後の2001年ごろからの完成物件では「住宅性能表示」制度を意識し「耐震等級」や「劣化対策等級」などの耐震、省エネルギー、遮音性などを向上させた物件が多く建てられています。
「住宅性能評価書」を取得しているマンションでは、性能を比較することが簡単であるだけでなく、地震保険を利用する際に割引が受けられる特典があります。
また、第三者の検査機関が書類を発行するのでより安心感があります。

また、2001年4月には「消費者契約法」が施行され、不適正な販売方法や消費者に不利益をもたらすような契約事項があれば、消費者は契約を取り消すことが出来るようになりました。
この時期には、建物自体の性能だけでなく契約面においても購入者保護が図られるようになったのです。
さらに2003年7月には建築基準法の改正があり、シックハウス対策への法令制限が行われました。24時間換気システムが義務付けられたのもここからです。

このように、法律の制定や改正がマンション業界を大きく変化させているのです。
中古マンションを選ぶ時にも、こうしたポイント知っておくとより良い物件に出会えると思います。