住宅ローンを借りようとすると、別途用意しなくてはならない諸費用の中に「保証料」という項目が出てきます。しかもその金額が決して安くはないのです。この保証料とは一体、何のために必要な費用なのでしょうか?
また、この保証料の支払い方にはいくつか種類があります。支払い方の特徴を知っておくと、将来損をしなくて済む場合があります!
保証料とはどんな費用?
住宅ローンは何千万円というお金を何十年にも渡って返済する借入れです。昔は、保証人を立てて万が一本人が支払えなくなった場合には、その保証人が返済を肩代わりしていました。
時代とともに身内であっても借金の保証人なってもらうことは難しくなり、保証人の代わりに「保証会社」というものが生まれました。
つまり保証人を立てなくても保証会社があなたの借金の保証をしてくれるので、金融機関は安心してあなたにお金を融資してくれるのです。保証会社の機能は保証人と同じです。万が一、あなたがローン返済が出来なくなった場合には、保証会社が残りのローンを一括して銀行へ弁済します。銀行側は貸出したお金を回収出来るので何の痛手もありません。ただし、あなたの債務が終了した訳ではありません。ローンの返済は相変わらず残っているので、今度は肩代わりしてくれた保証会社に対して返済を続けていくのです。
つまり、保証会社とは銀行が貸し倒れのリスクを回避するためのものなのです。
実際、住宅ローンの審査を行なっているのはお金出す銀行ではありません。銀行の担当者を通じて、保証会社が審査を行い「可否」を決めているのです!
ローンの審査が承認になるといういことは、保証会社が「あなたを保証します」という決定をしたという事なのです。しかし、相手も商売です。「タダで」という訳にはいかないので、「保証料」という名目でお金を支払うのですね。
保証料の相場と支払い方法
ではこの保証料はどういう計算で決まっているのでしょうか。
それぞれの保証会社では借入れ額100万あたり「〇〇円」というように金額が設定されています。借入れ年数が長いほど、保証料も高くなります。35年返済で大体2万円台前半くらいの金額が多いようです。3000万円の借入れであれば、その金額×30という計算になります。
もしくは、「借入れ額の◯%」というような設定になっている場合もあります。
3000万円の借入れであれば、おおよそ65万円〜78万程度の金額になります。
そして支払い方には、大きく2つの方法があります。
一つは「一括前払い型」、もう一つが「利息組込み型」です。
「一括前払い型」とは文字通り、住宅ローンを融資して貰うタイミング(入居時)に全額を支払ってしまう方法です。先程の65万円前後のまとまった金額を一気に支払うので、現金の用意が必要になります。
一方で「利息組込み型」は、毎月のローンに上乗せして支払う方法です。多くが0.2%金利上乗せになります。
35年ローンであれば、35年掛けて支払うのですから金利を上乗せした分、毎月の返済も若干高くなってしまいます。
要するに、ドカンと一気に支払うか、少しずつ長期に渡って支払うか、という事です。
自己資金が少なくて一括前払いは難しい人は、止むを得ず利息組込み型を選ぶかもしれません。ところが、将来途中で全額を一気に返済してローンが終了した場合に「一括前払い型」は保証料が返還されます。35年分を前払いしていたので、途中で終わってしまったら残りの期間分を返金してくれるのです。
借り換えをした時にも一括完済になるので、このケースに当てはまります。(返金の計算ルールは各銀行で異なります。)
保証料が無い住宅ローン
最近では、「保証料が0円」という住宅ローンがあります。それは「融資手数料型」の住宅ローンです。保証会社に対しての費用がない代わりに、銀行に直接支払う費用が同じくらい掛かります。
保証会社を採用していないネット銀行でよく見られるのですが、途中で一括返済した場合にはもちろん返金がありません。ただし、その分金利面で安くしているというメリットがあります。
また保証料と違って、分割払いは(利息組込み型のような金利上乗せ)出来ません。
もうひとつ「フラット35」では保証料は0円です。保証会社のシステムを使わず、融資を証券化する方法で貸し倒れリスクを回避しているので、そもそも保証という概念がないのです。事務手数料が窓口となる金融機関ごとに違うので、少しでも費用を抑えたい人は調べて見る価値がありますよ。
いずれにしても「保証料」だけに着目するのではなく、トータルで必要になる費用を比較してみるのが一番です。特に、途中で全額返済する予定がある場合には注意しましょう。