先進的窓リノベ事業は2025年も延長!お得に断熱リフォームするチャンス

不動産コラム

2023年から始まった「先進的窓リノベ事業」は、既存住宅(中古住宅)の窓やドアを省エネ効果の高い高断熱窓・ドアに改修する工事をした際に「補助金」が出る制度です。2023年は大好評のうちに予算に達し、今年(2024年)も延長されています。この制度を利用すると、補助対象となる工事内容に応じて一戸当たり5万円から最大200万円までの補助金が交付されます。

この度2025年(令和7年)の予算案に、1300億円規模の大型補助金制度が盛り込まれることが公表されました。つまり、来年も断熱窓リフォーム補助金が継続されることになります!

既存住宅の省エネ化を進める背景

元々「先進的窓リノベ事業」が始まった背景には、政府が2050年に二酸化炭素(CO2)排出ゼロを目指す「カーボンニュートラル」の実現があります。

住宅でCO2削減と言ってもピンとこないかもしれませんが、家庭から排出されるCO2の量は、1世帯あたり年間で約3,730kg-CO2とされています。これは、地球温暖化の原因の一つとされる二酸化炭素の排出量の約15%を占めています。

家庭でCO2が排出されるのは、主にガスコンロや石油ストーブなどの燃料の燃焼や、電気製品の使用によるものです。電気製品は直接CO2を排出しませんが、電気を供給している火力発電所で石油や天然ガスなどが燃焼することによりCO2が排出されるのです。つまり、光熱費の削減こそがCO2削減につながるのです。

既存住宅で窓リノベはいくらかかる?

先日、筆者の築25年の実家(一戸建て4LDK)でも断熱窓リフォームを行いました。毎年冬場の結露がひどく、カビ被害にも悩まされていたため、先進的窓リノベの補助金を利用して内窓を設置しました。

実際にかかった費用をご紹介します。

□1階部分

玄関ホール・階段踊り場 引き上げ窓 600×1200  3か所

和室掃き出し窓 1600×2000 

LDK 掃き出し窓 1600×2000

LDK 出窓 1600×1200

□2階部分

和室 腰高窓 1600×1200 2か所

洋室1 掃き出し窓 1600×1800

    腰高窓 1600×1200

洋室2 腰高窓 1600×1200 2か所

    天窓  600×400

合計13か所

地元リフォーム会社数社に見積もりを取ったところ、工事費込みで、大体120万円前後となりました。

先進的窓リノベの補助金は、リノベ工事の完了後、指定の工事事業者に対して支払われる仕組みとなっています。利用者である我々に支払われるわけではありません。そのため、工事代金の支払いは

①工事代金の総額を支払った後で、補助金が返還される。

②工事代金の総額から、予め補助金予定額を差し引いた分を支払う。

どちらかの方法となります。今回のケースでは、①約120万円の総額を支払い、後で補助金を受け取るか、②補助金分を差し引いた額を支払うかとなります。そこで②の支払い方法で対応している事業者を探したところ、ホームセンターの「カインズ」が見つかりました。

カインズで改めて見積もりを取ったところ、3か所以上であれば工事費が0円となるサービスもあり、内窓13か所で1,016,140円(内消費税92,376円)となりました。

一方、各窓のサイズや断熱グレードによって受けられる補助金合計額はちょうど50万円となり、支払いは426,140円に減額されました。

本来100万円以上かかる窓リフォーム工事代が半額以下となったわけです。しかも、支払いが実質負担額だけで済んだこともあり、非常にハードルが下がりました。工事当日は枠を四方に取り付け窓ガラスをはめ込むだけのなので、1日もかからず完了しました。

結露に対する効果はこれからとなりますが、単純に窓が二重になり気密性がアップしたため、防音効果は感じています。型板ガラスを採用した場所ではカーテンを開けていても外からの視線を遮ってくれますし、また防犯効果も高まったので工事をして大正解だったと感じています。(上記の費用は一例です。窓の数や選ぶガラスの種類によって費用は異なります。)

マンションでも断熱リフォームできる?

筆者のケースでは今回、風呂場やトイレの窓、玄関ドアは除外したのですが、一戸建て住宅のため工事したい場所や窓のデザインを自分好みに選ぶことが出来ました。では、マンションでは断熱リフォームは可能でしょうか?

マンションでは専有部分と共用部分に分かれ、共用部分については勝手に仕様や用途を変更できません。窓のサッシや玄関ドアは共用部分にあたり、自分の家だけ断熱リフォームを行うことはできないのです。

ただし既存のサッシの内側に取り付ける内窓工事であれば、マンションでも可能です。ひとつ注意点をあげるとするなら、部屋の内側にもうひとつ窓が設置されるので居住スペースを少々圧迫してしまいます。カーテンレールに干渉して、カーテンが取り付けられなくなるケースもあります。工事後にどのような仕上がりになるか、しっかりとシミュレーションして取り掛かりましょう。

最近の新築マンションでは複層のlow-Eガラスなど採用されて断熱効果がアップしていますが、築年数が古く単層ガラスのサッシのマンションでは冬場の結露がひどい場合があります。そのような場合には、来年も継続される先進的窓リノベの補助金を利用した断熱リフォームがお勧めです。是非、お近くのリフォーム会社などで無料見積もりを依頼してみてください。

窓リノベ詳細は下記を参照してください。

環境省「先進的窓リノベ2024事業」公式HP

先進的窓リノベ2024事業【公式】
「先進的窓リノベ2024事業」の公式サイトです。