再開発エリアは資産価値が上昇する?中古マンションが狙い目

不動産コラム

「再開発が行われると不動産価値が上昇する」という話を聞いたことはありますか?実は、いま全国の再開発エリアではマンション価格が上昇し、非常に注目されています。再開発が行われるとどんな変化や効果があり、不動産価格に影響しているのでしょうか。

再開発による様々な影響

  • インフラの改善

再開発が行われるとまずは交通機関や公共施設、道路などのインフラが整備されます。

新駅の設置や鉄道路線の拡充が行われると、通勤や通学の利便性が向上します。またそのエリアの中に新しくオフィス、学校・保育施設、病院などが建てられることもあります。さらに商業施設内の映画館やスポーツジムが利用できることもあるため、住まいの周辺(エリア内)だけで生活が成り立つケースもあります。

人の流れが大きく変わると、当然住まいの需要も高まります。

  • 地域の価値向上

再開発計画の中で、古い建物が新しく高品質な建物に変わることがあります。さらに再開発エリア全体に統一されたコンセプトがあり、住居を中心に緑地や公園を計画的に作るケースがほとんどです。新しく生まれた美しい景観や憩いの場が生活に潤いを与える効果があります。

また、商業施設が増えると当然経済活動も活発になり、雇用機会の増加や地域に落ちるお金も増えることになります。

  • 街全体のブランド化

再開発によって居住者や利用者が増加し、「快適で住みやすい」といったエリア人気が高まると、「ブランド」としての価値が生じることになります。よく「住みたい街ランキング」といった記事を目にすることがありますが、多くの人がそこに住むことに憧れるエリアでは、当然不動産需要も高まります。

  • 投資の引き寄せ

再開発によって注目されるマンションでは、投資家目線でも需要が高まります。賃貸目的やリセールなどで「将来的に有望」と判断されると、人気が高くなり価格上昇にプラスに働きます。

  • 防災対策の変化

再開発エリアでは、新たに建設される建物やインフラには最新の防災基準や技術が採用されるため、以下のような変化が見られます。

1)耐震性の向上

新しい建物が最新の耐震基準に基づいて設計・建設されるため、震度の大きい地震が発生した場合でも、建物の倒壊や損傷を最小限に抑えることが可能になります。

2)災害インフラの整備

避難所や防災公園、地下街の防災機能の強化、津波避難ビルの設置などが行われます。これにより、災害時の避難や支援がスムーズになります。

3)洪水対策

排水システムの改善や、地下に防水層を設けるなどの措置が取られます。また、都市の排水能力を高めるための施設や整備も行われることがあります。

4)最新の防災設備の導入

火災警報器、消火器、スプリンクラーシステム、非常用発電機などが設置されます。また、住民に対する防災教育や訓練も行われることがあります。

このような要因が相まって、マンションの価格が上昇するという結果になります。

再開発でマンション価格が上昇した実例

最近話題となっている再開発が、大阪梅田エリアにあります。JR大阪駅の北に誕生した「グラングリーン大阪」(うめきた2期)は元々貨物ヤードだった土地です。計画では「南街区」「北街区」「都市公園」の3つのエリアに分かれ、開発面積約17万㎡、敷地面積約9.1ha、総延床面積約55万㎡(2027年度完成時)の大規模再開発です。特に「都市公園」は4haという広さを誇り、主要なターミナル駅直結の公園としては世界的にも珍しく注目を浴びています。

GRAND GREEN OSAKA
“Osaka MIDORI LIFE”の創造 − みどりとイノベーションが融合し、新しい価値を共創する未来都市、グラングリーン大阪公式サイトはこちら。

この「うめきた」の開発は、10年前の2014年に完成した「グランフロント大阪」が第1期の開発でした。当時このエリア唯一のタワーマンションとして分譲された「オーナーズタワー」は、発売当初の坪単価が約303万円でしたが、現在の中古市場では253%の上昇率となっています。当時5000万円だった物件が1億円以上で取引されている状況です。

関西大都市圏の再開発ということでエリア内の新築マンション価格は破格となっていますが、周辺エリアの中古マンション価格もこの再開発の影響を受けて上昇しています。

再開発エリアこそ「中古マンション」

再開発エリアのマンションは今後の価格の下落率幅が小さく、資産価値が落ちにくいと言えます。中古マンションであればこれまでのストック物件の中から、希望に合う部屋が見つかりやすいメリットもあります。新築の大規模物件やタワーマンションの場合は、引き渡しまでに2年近くかかってしまうこともあります。中古マンションは契約から2~3か月で入居可能なため、時間を無駄にせずに済みます。

さらにここ最近、全国でマンション価格が上昇する中で発売される部屋はよりコンパクト化が進んでいます。新築マンションよりも専有面積が広く、部屋数も多い物件を探すことも可能です。

また、何よりも中古マンションでは部屋を内見することが出来るのが強みです。部屋の中の状況に加え、日当たりや眺望、騒音なども確認が出来ます。管理組合の運営状況や、心配される修繕積立金の積み立て具合もしっかりチェックしましょう。

近くで話題の再開発エリアがあれば、是非注目してみてください。