パワーカップルに朗報!りそな銀行「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」が登場

不動産コラム

夫婦共働きで世帯の総年収が1000万円以上の「パワーカップル」がマイホームを購入するとき、それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」を利用するケースが増加しています。ペアローンにするメリットは世帯で借り入れできる金額が増えることです。一方で、デメリットとされるのが団体信用生命保険の適用です。ペアローンでは借入本人それぞれが団体信用生命保険に加入します。万が一のことがあった当人のみに生命保険が適用されるため、片方の住宅ローンはこれまでどおり支払いを継続することになります。そこで新しく登場したのが、りそな銀行の「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」です。パートナーに万が一のことがあったときにもう片方の住宅ローン残債も全額免除されるという画期的な商品ということで、今後注目されそうです。

「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」の商品内容

2024年2月28日にりそな銀行と埼玉りそな銀行が発表した「がん特約付きペアローン型団体信用生命保険」は、日本生命保険相互会社と共同開発した新しい団信です。実際には10月1日(火)より取扱が開始となります。

ペアローンを利用する場合これまで通り団体信用生命保険にそれぞれが加入しますが、万が一のことが起こった場合の保障範囲が大きく変わります。片方の債務者が死亡まだは高度障害が残る状態となった際に、当人のローンの残債が0円になるのはもちろん、もう片方の債務者のローンも0円になるのです。パートナーにもしものことがあったら、2つのローンの残債が全額免除となる画期的な保険です。

さらに、このペアローン型団信には「がん特約」をセットすることが可能です。死亡や高度障害が残る場合に加え、片方が所定のがんと診断された時点で、2つのローンの残債が0円になるのです。日本人の二人に一人が罹るといわれる「がん」。特約を付ければ、大きな安心感につながることは間違いありません。

従来のペアローン団信との違い

これまでペアローンを組む場合の団信は、あくまで当人に対しての保障でした。例えば夫3000万円、妻2000万円をペアローンで借り入れしたケースで夫にもしものことがあった場合、夫の3000万円のローンは団信で弁済されて0円になりますが妻の2000万円の返済は継続されます。そもそも、夫婦そろってしっかりとした収入があるから借り入れが可能だったわけですが、実際にパートナーを失った家庭では仕事と家庭を両立し住宅ローンの返済を続けることは非常に大きな負担となります。

さらにがんと診断され入院生活を余儀なくされた場合には、仕事とパートナーの看病をしながら住宅ローンの返済を続けなければなりません。

借入時点では2人とも健康体で収入も十分ありますが、万が一のことが起こると片方の残債しか保障されないのがペアローンのリスクだったのです。

上記の例で今回の新しい団信を利用すると、借入金額にかかわらず夫婦それぞれが5000万円の団信に加入する形になります。

ペアローンが増加している背景

昨今の建築費の高騰などから、不動産とりわけマンションの価格の上昇は終わりが見えない状況です。リクルートの調査によれば、配偶者同士でのペアローンは全体の30%を占めています。共働き世帯では約半数の48%がペアローンを利用しており、総年収1000万円以上のパワーカップル世帯では実に73%にも上ります。

価格が上昇した物件を購入するためには必然的にペアローンを選択する世帯が多い中、お互いの債務をカバーする団信へのニーズは潜在的にあったはずです。住宅ローンを選択する要素は「金利」に次いで2番目が「団信」だとも言われており、今回の新団信は満を持して登場した形です。

実際の上乗せ金利は未定

2月に団信の商品発表がありましたが、現状「がん特約」がどれだけ上乗せ金利となるかは未定です。一般的ながん特約はその他の疾病特約も含めて0.1%~0.3%上乗せとなるケースが多いようですので、同様と考えておいた方が良いでしょう。

また、実際に利用できるのは10月1日からです。それまでに住宅ローンの実行を迫られている方は、フラット35の夫婦連生型(デュエット)も検討してみてはいかがでしょうか。フラット35ではペアローンの取り扱いはありませんが、夫婦で収入合算した場合に「連帯債務型」となります。住宅ローンは1本です債務者が2人いますので両者が団信に加入し、パートナーに万が一のことがあった場合に残債0円となります。金利は0.18%上乗せとなります。 これからペアローンでマイホームを購入する予定の方は、是非参考にしてください