せっかく夢のマイホームを手に入れても、入居してみたら「こんなはずではなかった・・・」という失敗談を聞くことがあります。特にマンションは集合住宅なので、近隣住民とのトラブルや、騒音問題で後悔してしまうことも。確かに入居してみなければ分からない事もありますが、事前にしっかりチェックしておけば防げる事もたくさんあります。今回はマンション購入についての失敗を未然に防ぐポイントをお話します。
1:騒音問題
新築でも中古マンションでも、室内で感じる上下階の騒音トラブルは永遠の課題とも言えます。建築工法や建材が進化したとはいえ、やはりどういった生活をしているかで音の発生は変わってきます。たとえ二重床・二重天井のマンションでも、子どもが椅子から飛び降りる、廊下を走り回るといった行動をすれば階下に音が響きます。
もし中古マンションの購入を考えているならば、他の世帯の年齢層を気にした方がいいかもしれません。新築当時は子育て世代が大半を占めていても、今現在は高齢化しているかもしれません。入居者の属性や生活スタイルが似ているマンションを選ぶのも一つの方法です。
一方でこちらが音の発生源となってクレームを受けるケースも考えられます。そうしたトラブルを少しでも避けたい場合は、マンションの最下階の部屋を選択するのがおすすめです。最下階とは1階の部屋はもちろん、下が駐車場やエントランスなどの共用部になっている2階や3階の部屋を指します。下に生活している人がいないので、少々足音が響いても問題ありません。その他カーペットや消音マットを敷くなど、出来る限りの防音対策は行いましょう。
また「騒音問題」にはマンションの外部からの音も含まれます。よく失敗談として「電車や車の走行音が想像以上にうるさかった」という話を聞きます。音の問題は感じ方に個人差があり慣れれば気にならなくなる人もいますが、これに関しては事前にチェックすることが可能です。
駅近で利便性が高いマンションの場合は、駅だけでなく線路も近くを走っている可能性が高くなります。一日に何本列車が走行しているのか、始発・最終は何時なのか、夜中に貨物列車は走行するか・・・など調べればわかることもあります。中古マンションであれば、実際に部屋の中から体感することが可能です。
大きな幹線道路に面していると、音だけではなく排気ガスの問題もあります。利便性が高いことと静けさとは反比例する一面があるので、どこまでが許容範囲なのか、これは現地に何度も足を運んで確かめるしかありません。物件選びをするときによくあるのですが、地図を見ただけで「現地を知っている」という人がいます。今は地図サイトが発達しているので、鮮明な画像でマンションの建設地近くをデジタル散歩することが可能です。周辺の雰囲気やどういった建物があるかを確認するには有効な手段ですが、現地に行かないと分からないのが「音問題」です。出来れば、平日と休日、昼間と夜間、時間帯を変えて何回か現地を確認することをおすすめします。
静かで車や人通りが少ないと、逆に夜間は子どもや女性だけで歩くのが怖いと感じる可能性もあります。人によって求めるポイントには違いがありますので、自身にとってバランスが取れていることが大切です。
2:金銭的な負担
中古マンションンでよくあるケースが、「修繕積立金が高くなった」「大規模修繕工事のために一時金を徴収された」といった、予想外の金銭的負担です。ご存知の通り、毎月のランニングコストである管理費・修繕積立金は永遠に一定の金額ではありません。修繕積立金は一定期間ごと(例えば5年ごと)に見直しが入り、必要に応じて値上がりしていくのが一般的です。購入したタイミングがちょうど見直し時期と重なれば、入居したとたんにアップする可能性もあります。
また、分譲マンションでは大規模修繕工事を新築後12年目~15年目あたりで行います。このタイミングで十分な修繕積立金が集まっていない場合には、一住戸あたり数十万円といった「一時負担金」が発生する可能性があります。実は新築時に入居していた前の所有者が、「そろそろ大規模修繕工事があるから」といった理由で住み替えを考え、築10年あたりで売却するのはよくある話です。
修繕積立金が十分積みあがっているか、大規模修繕工事はいつ行われたか、この後いつ頃計画されているのか、などは事前にしっかり質問しておきましょう。
3:駐車場が使えない
マンションの敷地は大きさが限られており、駐車場設備が100%完備されている物件はごく一部です。駐車場の確保が出来ない場合には、自分自身で敷地外の駐車場を探す必要があります。どうしても車が手放せないのであれば、100%完備の物件を探すべきですし、駐車場の空き状況をしっかりと下調べする必要があります。新築時で「抽選」となる場合も、「万が一落選した場合」の対策を考えておくべきです。また、中古マンションで売主が1台分利用していたとしても、そのまま引き継いで利用できるとは限りません。管理規約の細則で「一度、管理組合に返却する」ことになっている場合、すでに入居している人でキャンセル待ちの人に権利がいってしまうこともあります。物件ごとにルールが異なりますので、ここもしっかりと事前確認しておくべきです。売主さんの認識と違っていることもありますので、注意が必要です。
実際に足を運ぶ、事前に確認をする、といった労を惜しまないことが大切なマイホーム購入を成功に導きます。