今年初めて住宅ローン控除を受ける人は早目の準備を!2024年確定申告ガイド

不動産コラム

住宅ローンを利用してマイホームを購入し昨年12月末までに入居した皆さんは、いよいよ確定申告をするときが近づいてきました!会社員や公務員の方は、確定申告の手続きをするのが初めての人も多いと思います。最近では、わざわざ税務署に出向いて長い時間待たれることもなく、郵送やe-taxを利用してデータ送信で簡単に完了できるようになっています。確定申告は、必要書類をきちんと揃えておけば難しい手続きではありません。

今回は2024年に第1回目の住宅ローン控除を受ける人のために、制度のおさらいと確定申告手続きのポイントをお話します。

住宅ローン控除のあらまし

住宅ローン控除の制度は、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といいます。

マイホーム購入時に住宅ローンの借入を行った人に対し、「年末時点での住宅ローンの残高の0.7%」を、所得税や住民税から控除する制度です。借り入れをしていることが大前提なので、住宅の代金をすべて現金で支払った人は対象外です。また住宅が自己居住用、つまり自分自身が住むための家でない場合、例えばセカンドハウスや投資用物件であると対象外です。

控除期間は10年~13年と長期にわたり、トータルで数百万円もの減税を受けられるのでとてもメリットが大きい制度だと言えます。

住宅の省エネ性能によって差が出る

住宅ローン控除は、対象となる住宅の「省エネ性能」によって年末ローン残高の上限が変わります。当然ながら省エネ性能が高ければ高いほど上限額が上がり、控除額も上がる仕組みとなっています。

昨年2023年に入居した人の限度額は下記のとおりです。

実はローン控除の残高上限額や控除期間は、今年以降(2024年~2025年12月末)に入居すると引き下げられることが決まっています。

  ※2023年までに新築の建築確認が出されていること

2023年中に入居した人に比べると、新築住宅で差がついていることが分かります。今後は、省エネ住宅でなければ住宅ローン控除は使えない世の中になっていく模様です。

現行制度で最大限の控除が受けられるのは、これから初年度の住宅ローン控除を受けるために確定申告する人ということになります。

控除をスタートするには「確定申告」が不可欠

住宅ローン控除を受けるためには、とにかく初年度に「確定申告」が必要です。自営業者の方や、毎年確定申告を行っている人にはおなじみですが、サラリーマンには縁がない手続きなのでしっかり準備して臨みましょう。

住宅ローン控除は、所得税を還付する制度です。サラリーマンは毎月の給与から所得税が差し引かれています。払いすぎた所得税を清算する手続きが「年末調整」です。2023年中の年末調整はすでに完了しているはずです。そこで年明けのこの時期に確定申告をして、住宅ローン控除分の還付金を取り戻すのです。

初年度に確定申告を済ませると、2年目からは勤務先で行っている年末調整で手続きできるようになるので簡単になります。金融機関から届く「年末残高証明書」など必要書類を添付すれば大丈夫です。毎年確定申告している人は、都度住宅ローン控除の手続きも行いましょう。

確定申告に必要な書類

確定申告を確実に行うには、必要書類をもれなく準備することが大事です。

住宅ローン控除を受けるために必要な書類は、次のとおりです。

  • 確定申告書
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書

この二種類の書類は、国税庁のホームページや最寄りの税務署で入手することが出来ます。

  • 住宅ローンの借入残高証明書

12月末時点で、住宅ローンの元金がいくら残っているかを証明する書類です。住宅ローンを借入した金融機関から秋ごろに届きます。住宅ローンの実行が年末ぎりぎりだった人は、発行が年明けになります。

  • 源泉徴収票

毎年勤務先から発行される書類です。住宅ローンの事前審査や申込を行った際にも提出したことがある書類なので、ほとんどの人が知っている書類です。これまでは年収を証明する書類として提出していましたが、住宅ローン控除の申請の際には、「源泉徴収額」の欄が重要になります。

  • 土地建物の登記簿謄本

法務局の窓口か、オンライン申請システムで入手できます。マイホームの面積、所有者などを確認します。

  • 売買契約書や工事請負契約書のコピー

家屋の新築(購入)の年月日、家屋の請負代金又は購入価格、契約年月日を明らかにするものとして必要です。

電子契約を行った場合は、「合意締結証明書」など付属の書類も忘れないように準備しましょう。

  • 住宅の性能を証明する書類

住宅性能評価書などがあれば準備します。適用となる控除額を知るためには、マイホームがどの省エネ性能区分なのかを知る必要があります。

  • マイナンバーカード

カードを持っている人は、マイナンバーカード読み取り対応のスマートホンがあれば簡単にe-Taxによる申告ができます。

これらの書類の他にも、さまざまな要件をクリアしていることが必要です。国税庁のHPにチェックシートがありますので、事前に確認しておくと慌てずに手続きできます。

https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/topics/tokushu/pdf/kojo01_r5.pdf