住宅ローンの事前審査は早めがお得?ベストなタイミングとその訳とは

不動産コラム

マイホーム購入に欠かせないのが住宅ローンですが、「本当に借りられるのか?」「いくら借入できるのか?」など心配なことが沢山ありますよね。そこでおすすめなのが「事前審査」です。住宅ローンの事前審査はほとんどの金融機関で必要な手続きとなっており、事前審査を通過していないと次の本審査に進めない仕組みとなっています。「まだ本当に買うか決めていない」「購入する物件が決まっていない」という人でも、事前審査を受けることは可能です。特に中古物件を検討している人には、前もって事前審査を受けておくとメリットがあります。

中古物件で事前審査を早めに行うメリット

住宅ローンの事前審査で「承認」をもらうと、ほとんどの場合で本審査に進んでも「承認」となります。つまり資金計画が成立している、という証になるのです。借りられる金額の目安が分かれば安心ですし、物件探しも絞り込みしやすくなります。

特に中古物件で気に入った物件に出会った際には、事前審査を通していればすぐに申し込みが出来きます。ほとんどの物件では「事前審査(仮審査)に通っていること」が物件申込の条件となっており、早く事前審査の手続きをしないと気に入った物件を他の人に先に申し込まれてしまうリスクがあります。すでに申し込みが入ってしまった物件では二重に申し込みを受けることが出来ません。つまり前に申し込みした人がキャンセルしない限り、申し込みが出来ないのです。前もって事前審査を通しておけば気に入った物件に出会った即日に申し込みが出来るので、他の人に物件を取られてしまうリスクがゼロになります。

「購入意欲が高い」とアピールできる

事前審査にはある程度手間が必要です。書類を準備した上で、用紙に記入、捺印なども必要です。最近ではWEB上で手続きが完了する金融機関も増えてきましたが、ある程度購入意欲が高い人や候補物件が決まっている人でないと事前審査までしようと思いません。つまり、「事前審査を通している」ということは、売主側から見れば「買ってくれる可能性が高い人」という印象になります。

そうなると「あと〇〇万円値引きしてくれれば、購入しますよ」という交渉もスムーズに行えます。また契約までの日数を最短で相談できるので、売主側にとっては申込キャンセルのリスクを最小限に抑えることが出来ます。日付を確約することが出来れば、値引き交渉にも説得力が増します。

事前審査の準備をしておこう

いつでも事前審査を受けられるよう、次のものを準備しておきましょう。

【本人確認書類】

  • 運転免許証(写真入りの身分証明書)
  • 健康保険証

【収入確認書類】

  • 源泉徴収票(1年もしくは2年分)・・・会社員など給与収入のみの方
  • 確定申告書写し(3期分)・・・自営業者の方、給与以外の収入がある方など

突然依頼されると、どこに納めたか分からない人もいます。源泉徴収票などは本審査にも必要ですので、紛失している場合には勤務先に再発行をお願いしましょう。

【その他借入の返済明細書】

 車のローンや、クレジットカード払いがあると、非常に審査に影響します。現在の借入をきちんと把握できないと資金計画が変わってしまうこともありますので、正確な内容が分かるようにしておきましょう。

事前審査は複数の金融機関で行おう

事前審査は複数の金融機関に申し込んでおくのがおすすめです。金融機関ごとに審査基準が設けられていますが、適用金利や団体信用生命保険の内容など、あとで比較検討できるポイントがあるからです。もちろん審査が厳しめ、あるいは通りやすいといった差もあります。

金融機関は大きくメガバンク、地方銀行、ネット系銀行に分かれます。それぞれメリット・デメリットがありますし、利用しやすさの好みもあります。

金利が安めなのは人件費を節約できるネット系銀行ですが、審査は比較的厳しくなります。ネガバンクはサービス体系が整っていますが地方都市には店舗が少ないのがデメリットです。地方銀行は、金利面ではネガバンクやネット銀行に勝てない部分がありますが、団信の内容を手厚くしたり地域住民に寄り添った審査をしてくれるところも多いようです。

これら3タイプの金融機関にバランス良く申込してみるのがおすすめです。ただ、沢山申込しすぎるのは要注意です。個人信用情報機関に申込した金融機関の情報が残りますので、「手当たり次第申し込んでいるのは何かあるのか?」という印象になってしまいます。まずは3銀行くらいに絞り込んで申し込みましょう。

「物件」も審査対象となる

金融機関は申込本人の収入や支払能力も審査しますが、購入物件そのものの「担保評価」も審査します。

特に中古物件では築年数や「新耐震基準マンションか」などが影響します。物件未定の段階で事前審査を通過していても、物件確定後に本申し込みをすると否決や減額になってしまう可能性もゼロではありません。予定していた物件が変わった場合も同様です。ですから、事前審査は物件確定前と確定後、2回行うのが一番安心です。

事前審査は無料で行え、仮に審査を通したからと言って必ず本申し込みしないといけない制限もありません。マイホーム購入における重要なステップの一つと捉え、計画的に行いましょう。